アイ・ラブ・ユーの先で

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「佳月、なんか元気ないねえ」


そう言われてはじめて、いま自分がとても盛大なため息をついてしまったことに気がついた。


「そうかな?」


あわててシャキッと背筋を伸ばし、笑顔をくっつける。
それを見た結桜が楽しそうにからからと笑った。


「なに、その切り替え。へたくそ!」


自分でも、本当にそう思う。
もう少しいろんなこと、上手にできていたらなあと、すっかり卑屈になりきった心がウンザリするようなことを考えてしまう。

またため息をつきかけたけど、今度はさすがに我慢した。


「ウチでよかったら聞くよ? 相談相手にはむいてないかもしれないけど」

「そんなことないよ。結桜、いつもすごい聞き上手じゃん」

「そういう佳月はいっつも褒め上手!」


わたしはきっと、目の前にいる人を褒めているのでなく、自分じゃない誰かのことを常にうらやんでいるだけだ。


いつからこういう癖がついてしまったのだろう。

いつから、こういう何気ない褒め言葉でさえ、うまく受け取ることができなくなってしまったんだろう。


梅雨の時季でも広がり知らずだけど、逆にツルツルすぎてボリュームの出ない厄介な髪を、結桜が魔法みたいにお洒落なポニーテールに変えながら、ちょっとトーンを落として笑った。


「佳月ってさ、あんまり自分のことしゃべんないよね」


手櫛が頭皮を優しく引き上げていく。