姉妹の部屋がひとつだったころから、侑月がわたしと同じ布団で寝たがることはたまにあった。
それは決まって、侑月にとってなにか悲しいことや不安なことがあったときなので、今回もきっとそうなのだろう。
「うん、いいよ。おいで。いっしょに寝よう」
そして、きょうは間違いなく、お兄ちゃんのことが原因だろうな。
「侑月、大丈夫だよ。お母さんとお父さんとお兄ちゃん、べつに喧嘩してるわけじゃないからね」
ベッドに入るなり頬をすり寄せてきた妹の髪を撫でながら、へたくそな励ましをする。
侑月はぎゅうっとかたく目を閉じ、くちびるを突きだして、ウンと小さく唸った。
それにしても、シングルベッドで姉妹が身を寄せ合うのというのも、そろそろほんの少し窮屈になってきた。
まだまだ子どもだと思っていたけど、侑月も着実に大きくなっているのだと実感する。
そりゃそうだ、もう、中学生だもんね。
のんきに感動しながら、小さな寝息を聞いて高い体温を感じているうちに、いつのまにかわたしも眠りに落ちた。



