だけど、なにを言われたのか、いまいち理解が追いつかない。 時間って、なにが? 「あるならちょっとつきあえ」 「……はい?」 直後、否応なく手首を掴まれて持ち上げられた。 高校卒業を目前にした男の人の腕力はけっこう強くて、わけもわからず、そのまま手を引かれながら進むしかない。 一歩ごとがズボズボ砂のなかに埋まるせいで、道路まで上がってくるころには、ローファーのなかが砂まみれになっていた。