「おまえさ、かっこよすぎるんだよ」 目の前に、9年前よりうんと大きくなった小指が差しだされていた。 「叶えるよ」 同じ指を立て、絡めた瞬間、やっと地球がまわりはじめたような感覚がした。 「101個目からも、全部」 なにより大切な指きりげんまんを、わたしたちはいま、きっとあのころの気持ちのままで交わしている。 月明かりの下ではじめてくちびるが触れあったら、 9歳のさとくんと、7歳の佳月が、照れくさそうに笑いあっているような気がした。