アイ・ラブ・ユーの先で

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なるだけ早くなんとかしたいと思っていたけれど、伝えたいことをぜんぶ形にするというのはなかなかむずかしく、考える時間も含めたら、なんだかんだでまるまる1週間かかってしまった。


だから、たくさん手伝ってもらった。
仁香さん、結桜、そして、佐久間先輩と奥先輩にも。

ひとりでどうにかできる気もしたけど、今回だけはなんとなくそうしたくなかったのだ。


そういうわけで、放課後はみんなで駅近くのファミレスに集まるのが、ここ数日のお決まりになっている。


昂弥先輩のことを話しながら手を動かしたり、ごはんを食べたり、笑いあったりするこの輪のなかに、彼も当たり前にいてほしい。

そのことは、きっと全員が願っているはず。


「……おっと。最後のひとつは佳月ちゃんが折ったら?」


目の前に赤い正方形を差しだされていた。

目線を上げると、佐久間先輩がいつもの感じに甘く笑んでいて、少しだけ恥ずかしくなる。それでも素直に受けとった。


これまで以上に心をこめて折り目をつけていく。

そうして完成した、できたての心臓を、大切に両手で持ち上げた。


「できた……」


100枚入りの赤い折り紙。

それが、1週間かかって、みんなの手によって、ぜんぶハートの形に変わった。


感嘆の声や、ほっと息をつく音が、テーブルのあちこちに生まれる。

その真ん中にこんもり出来上がっている赤色の山をひとつずつ紙袋のなかに入れながら、この光景を先輩にも見てほしいと思わずにいられない。