アイ・ラブ・ユーの先で



さとくんと過ごした4日間を、とても大事に思って生きてきた。

そう、わたしだって、宝物みたいに感じていた。


もし再会できる日が来たのなら、こんなにいいことはないけれど、それでも、そうじゃなくとも、優しい思い出があれば充分だって。


だって、さとくんは、
また会おう、とたしかに約束してくれたから。



「……よく、ない」


ああ、彼はいったいいくつ叶えてくれたのだろう。

あのころ交わした、とりとめのない、ささいでも大切な、約束たちを。


「いいわけない……」


つま先を見つめていた目線を上げて、前を向けば、必ずわたしのほうをふり返ってくれている。

目尻にいくつかの皺を刻みながら、わたしだけを待ち、目が合えば、わたしの名前だけを呼んでくれる。


この世の幸福を凝縮したようなその景色を、絶対に失くしてしまいたくないと思った。

これは、単なるわたしのエゴだ。
わがままで、正真正銘、甘ったれの気持ちだ。


でも、もらったものの分だけ、少しずつ、ひとつずつ、へたくそでも、臆病でも、返していけるわたしになるから。

だから、本当はまだまだたくさんの時間が必要だということ、いまさらになってやっと気がついた。



「……仁香さん、結桜。お願いがあります」



まだ、間に合う?
まだ、取り戻せる?

もし取り戻せないのだとしたら、また、新しく作っても、いいかな?