アイ・ラブ・ユーの先で

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「ていうかさあ、あのさあ。佳月ってさあ、もしかしてさあ」


単語ごとにいちいちくっつくサアの音が、この次をしゃべることをためらっているようにも聞こえる。

ザ・女子高生という感じの、見事なまでにカラフルキュートに彩られたお弁当箱を箸でつつきながら、結桜が思い出したように声を上げた。

一方こちらは、サイズ以外はお兄ちゃんとまるっきり同じ内容、茶色にまみれた男子弁当を堅実に消化しながら、「うん?」とのんびり答える。


「――好きなの? 水崎先輩のこと」


小さめにカットすらしてくれていない唐揚げが丸ごと喉に詰まるかと思った。

あわててお茶で流しこむ。あやうく死ぬところだった。


いきなりなにを言いだすのかと思えば。


「いま……なんて?」


ぜんぶ飲みこんだあと、落ち着いてから聞き返すと、結桜はもういちど、さっきとまったく同じせりふを吐いたのだった。


「だから、佳月は水崎先輩のことが好きなの?」


言われている意味がわからなくて混乱する。
いや、わかるからこそ、混乱しているのか。


「なんで、どうしてそうなるの……」

「だって、すごい、見てるよね。いつも探してるのも伝わってくるよ」


キャピキャピしているように見えて、意外と人のこと観察しているのだなあ、と感心する。

感心している場合ではない。