1週間どこにいたのか、生活はどうしていたのかと聞かれて、つきあっている先輩がいること、その人といっしょにいたことを、いまは隠したくないと思い、ぜんぶ正直に答えた。
無謀な家出についてはこっぴどく叱られる覚悟をしていたけど、お父さんは、今度その彼を連れてきなさい、なんて、あまりに意外すぎることを言ったのだった。
責めたてるためでなく、娘が世話になったお礼をしなくちゃいけないから、と。
なんだか気恥ずかしくて、伝えておくよ、とだけ答えて、ひと足先に病室を出ることにする。
まさにその人が、いま、とても心配しながら、わたしの帰りを待ってくれているはずだから。
早くに目が覚めた今朝、お兄ちゃんにコンタクトを取ったあと、バイクのうしろにわたしを乗せて、ここまで連れてきてくれたのは昂弥先輩だ。
大丈夫なのか、病室まで同行しようかと申し出てくれた彼に、わたしは場所を完全に指定して、そこで待っていてほしいとお願いした。
――2階の、売店の前にあるベンチ。
「……さとくん」
ああ、このうしろ姿、たしかに人違いじゃない。
「さとくん」
昔から思っていたのだけど、どうしていつも、そんなにもったいぶりながら、ゆっくりふり返るわけ。
「先輩は、さとくん……でしょう?」
こっちをむいた顔にそう問いながら、こらえきれない気持ちがあふれ出してしまう。
先輩が笑った。
あのときとまったく同じ顔で。
あのころからずっと、目尻に刻まれるその皺を、とても愛しく思っている。



