「――ごめんなさい」
侑月を抱きしめながら、彼女と、そのむこうにいる全員に対して、できるだけ真摯に頭を下げた。
本気の謝罪というのはむずかしい。
伝えたい気持ちの100分の1も伝わっている気がしない。
「……佳月、侑月も。こっちに来てくれる?」
穏やかに言ったのはお母さんだった。
ああ、しゃべられるんだね。もう体を起こしても大丈夫なのかな。
たった1週間会っていなかっただけなのに、とても、とても、痩せこけてしまっていて、胸が痛い。
小刻みにしゃくりあげている妹を連れて、みんなのいるベッドのほうへ移動した。
お母さんが手を伸ばすので、そっと顔を近づけると、姉妹もろともか弱い両腕に抱きしめられていた。
「佳月、侑月……、ごめんね。こうして顔を見せてくれて、本当にありがとう」
ああ、ダメだ、どうしても涙が出てしまう。
自分のしでかしたことの愚かさを、優しいぬくもりを感じて、はじめて思い知った。
そっと体を離したお母さんの頬にも、幾重もの涙の筋が伝っていた。
大人はこんなふうに、音もなく静かに泣くのだということを、わたしはいままで知らなかった。
「佳月」
そっと頬を撫でられる。
名前を呼ばれただけで、こんなにも、心がふるえる。
「ごめんね。家族みんな、佳月の強さと優しさに、ずっと甘えてしまっていたと思う。この子ならきっと大丈夫だろうって、勝手に思いこんで、小さいころからたくさんのことを背負わせてしまっていたよね。
ごめんね。ずっと、限界まで、めいっぱいの我慢をしてくれて、ありがとう」
ぼろぼろ、ぼろぼろ、落としたそばから生成されていく涙の止め方が、もうわからない。



