「は?」
「そのネット、わたしの下着が入ってるやつです!」
なに、ふつうに開けようとしているわけ。
忘れていた、知らなかった、では済まされないことだ、こればっかりは。
「あ?」
数秒間ネットを見つめたあとで、視線をこちらに移した先輩は、とびきりのいたずらを思いついた子どもみたいにニヤッと笑った。
「そうだっけ?」
「そうです、ほんっとうにダメです、これはマジです、返してください!」
「俺はべつに気にしないけど」
「わたしが気にするんです! ていうかちょっとくらいドキドキしてくださいよ! なんなんですかっ」
激しい攻防戦の末、けっきょく下着たちは姿が露わにならないまま、ネットに包まれた状態で持ち主の手に返ってきたのだった。
とはいえ、わたしが完全な勝利をおさめたのではなく、先輩が情けをかけてくれただけのこと。
絶望的にいじわるだけど、最後にはこうして必ず手加減をしてくれるから、いつも憎めなくなってしまう。
ほっとしつつ、別で持ってきたランジェリー用の不透明な袋に入れ替えながら、見られてはいないかと逆に盗み見る。
そうしたら、彼はぺろりと恥ずかしげもなく自身の下着を広げているので、こっちがひっくり返りそうになった。
ボクサーパンツ派だということ、こんなタイミングでちゃっかり知ることになるとは。



