おなかすいたな。
早く、沸かないかな。
やがてボコボコ踊りはじめた熱湯を注ぎ、スマホで3分、タイマーをセットする。
家族5人が悠々と座ることのできる、広すぎるテーブルでちょこんとカップ麺の出来上がりを待っているわたしは、きっと必要以上に寂しく見えるだろうな。
誰に見てもらえているわけでもないのに、そんなくだらない空想をしたら、少し笑えた。
ぜんぜん、寂しくない。こんなのはもう慣れっこ。
それに、きょうは疲れたのでカップ麺で済ませているけど、自分のためだけに好物を作る日だってあるし、それをひとり占めして食べるのもなかなか至福なのだ。
リリリと鳴り始めたタイマーを止めて、割り箸を割った。記念撮影しておきたいくらい、真ん中から、きれいに真っ二つになった。
蓋を剥がしたとたん、熱い湯気が顔面を襲ってくる。味噌の塩分のせいなのか、じんと目がしみた。麺をひと息ですすると、あまりの熱さに、鼻水が出た。
どうして。なんで。
こんなにも、いらいらするの。むしゃくしゃするの。
どうして、きょうはこんなに、ついてないの。
ぜんぶ、わたしが悪い。
わたしが、お兄ちゃんと違って、どんくさくて、要領がよくないから。
侑月みたいに子どもっぽいのが嫌で、上手に甘えたりもできないから。



