アイ・ラブ・ユーの先で

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夏休みを目前にして、いきなり侑月が学校へ行けなくなった。

謎の病。
お腹が痛い、からはじまった。


いつも元気いっぱいで、ほとんど病気をしたことがなく、幼稚園、小学校と皆勤賞だった末娘。

その突然の体調不良に、家族は当然あわてふためき、甘えんぼうの末っ子がかわいくて仕方ないお父さんなんかは「仕事を休むから病院へ行こう」なんて言いだす始末。


でも、家族が父親をなだめる前に、その申し出を拒否したのは侑月本人だった。


「ただおなか痛いだけだよ。だから、学校休んで、寝てたらなおる」


言葉通り、侑月はその日のうちにしっかり回復して、夕食はもりもり食べられるようにまでなっていた。

――だけど、また翌日。


「おなか痛い、きょうもお休みする」


起きてくるなり半泣きでそう訴えた侑月が、仮病を使っているとはとうてい思えない。

お母さんもお父さんも心配して、きょうこそ病院に、と提案したけど、侑月はまたそれを拒否したのだった。


もしや、夏バテ?

今年から中学生になり、急に授業が長く、難しくなったりして、侑月のまわりも環境が変わったことが大いにあるはず。

わたしも、中学時代は小学生のころと比にならないほど、いろいろ気を張っていたと思うし……。