ふと、隣の車道を、水色のコンパクトカーが快適そうに通り抜けていった。
助手席に、わたしと同じ制服を着た女子生徒が乗っていた。運転をしていたのはその子の母親だと思う。
追い抜かされる一瞬しか見えなかったけど、ふたりは、とても楽しそうに笑っていた。
侑月のほうの入学式は無事に終わったかな、とぼんやり思った。
平日なのでお父さんは仕事で、お母さんが、3つ下の妹の中学の入学式に付き添っているはずだ。
長女と次女、まったく同じ日に入学式があるとなれば、妹のほうを優先するのもしょうがない。
むしろ、侑月のほうを放っぽって、こちらに出席すると言われるほうが居心地悪い。
何事もなく友達ができて、いい担任の先生で、隣の席になる男子が悪くなくて、荒れた感じのクラスじゃなければいいのだけど。
侑月は幼いころから愛され体質で、どこへいってもかわいがられる世渡り上手だから、なんの心配もいらないか。
初日から寝坊して遅刻しかける自分のほうがよっぽど心配だ。
今朝のことを思い返しながら苦笑する。
ああ、そういえばあのバイクの人、本当に入学式に出席していなかったようだけど、大丈夫なのかな。
またあした、学校のどこかで、会えるかな。



