「……どうって、ただの、先輩と後輩です」
「じゃ、質問を変えようかな。佳月ちゃんは、昂弥のこと、どう思ってるの?」
それは――
「それは、佐久間先輩には……、水崎先輩以外の人には、言えないです」
得体の知らないなにかで胸が満たされて、いっぱい、いっぱいになって、どんどん、どんどん、苦しくなっていく。
ひょっとしてベビーカステラを食べすぎてしまったかな、なんてジョークが頭の片隅に生まれて、ばかばかしくて笑えるかわりに、なんだか切なくなった。
すごく喉が渇いている。
でも、きっといまは、液体ですら喉を通ってくれないだろう。
「はは、いいね。なるほどねー」
涼しく笑った佐久間先輩の顔を見上げたら、ぴんと張りつめていた糸のうちの一本が切れるのを、心のどこかで感じた。
「……水崎先輩、は、もしかして……わかってますか?」
「ん、なにを?」
「わたしの……」
しゃべりながら涙声になっていくのを自覚して、いちど大きく唾を飲みこむ。
「わたしの、気持ち」
ふ、と息をつく。
わたしの気持ちってなんだよ、意味わかんない、と、自分で突っこんでやりたくなる。
「佳月ちゃんの気持ちって? それを教えてくれないくせに、昂弥のことだけを知りたがるのは、ちょっとずるいでしょ」
まったくその通りでなんの反論もできない。



