この1か月あまり、水崎先輩とはずっと会っていないし、連絡さえとらないでいる。
誘いをバッサリ断られて、すねている、気まずい、
それ以外にもいろいろな気持ちが心の底に沈殿して、ぜんぜん浮き上がってこないままだ。
だって、あれから、不思議なほど見かけない。ばったり会うこともない。
おかげで仁香さんのワンピースはまだわたしの手元にあるけれど、もういちどこっちからコンタクトをとろうという気力を奮い立たせられるほど、わたしは強気な女子ではなかった。
「あ、ねえ、佳月。色違いでラブミーの髪飾りしようよ!」
いよいよ出かけようというとき、結桜がとびきりの名案を思いついたように言った。
「え……いいの?」
「うん、せっかくだし佳月の好きなやつにしよ!」
ヘアアクセ用だというボックスの中身を見て、目がチカチカした。
これまでに発売したラブミーのヘアアクセは抜かりなくすべて揃えているのだと、決して自慢するでなく、結桜はうれしそうに屈託なく笑って教えてくれた。
それぞれアップスタイルにした、結桜のきれいに染まった茶髪と、わたしの深すぎる黒髪に、濃淡のついたキスマークのロゴを差しこんでいく。
「佳月、本当にきれい。同性なのに見惚れちゃう。やっぱり水崎先輩にも見てもらいたかったなあ」
準備万端になったお互いを見あい、こちらが「かわいいね」と言いかけたところで、先にそう言われてしまった。
どきりとも、ずきりとも、ぎくりとも違うような、それでいて、ぜんぶをいっしょくたにしたような、複雑な効果音が脳ミソのなかで鳴り響いた。



