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☆
今年は梅雨入りが例年より早かった分、同じように明けも早かった。
おかげで、花火大会の日は天気の心配もなく、無事にピーカンで迎えられた。
「うわあ、佳月の浴衣、すっごいきれい! ぜったい似合うね!」
わたしが家から持参した一枚布を広げるなり、結桜が楽しそうにキャッキャと声を上げる。
黒地に白の花が散りばめられている、シンプルなデザインの浴衣。
だけど、いざこうして広げて見ると、10代なかばの女子が着るにはちょっと地味すぎるかも。
こんなことならもう少しきちんと選んでおけばよかった。
去年の夏、侑月がお母さんに新しい浴衣をねだったとき、ついでにわたしの分も買ってくれるというのでこれにしたけど、高校の受験があって夏祭りどころではなかったし、てきとうに手に取ってしまったんだ。
「佳月ちゃんは色白ですらっとしてるから、すごくきれいだろうね。ちんちくりんの結桜と違って」
「ちょっと、ママ。怒るよ」
花火大会でいっしょに浴衣を着たい、と提案したのは結桜のほうだった。
それから、こうして自宅に呼んで、“ママ”に着付けてもらおう、と誘ってくれたのも。
約束の時間、結桜の家の最寄り駅のロータリーに出ると白のワンボックスカーが出迎えてくれて、そのなかに彼女のお父さんとお母さんがシッカリそろっていたので、最初は本当に驚いた。
迎えに来てくれただけでも恐縮なのに、おいしいパスタ屋さんでランチまでご馳走してくれた。
お父さんも、お母さんも、初対面のはずなのに、結桜の友達だからと本当に良くしてくれて、大切にしてくれる。
すごく嬉しかったし、それ以上に、ものすごく感動した。
うちの両親は、わたしの友達に対して、きっとこんなふうにはしてくれないだろうから。
してくれたことなんて、いままでに一度もなかったから。
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今年は梅雨入りが例年より早かった分、同じように明けも早かった。
おかげで、花火大会の日は天気の心配もなく、無事にピーカンで迎えられた。
「うわあ、佳月の浴衣、すっごいきれい! ぜったい似合うね!」
わたしが家から持参した一枚布を広げるなり、結桜が楽しそうにキャッキャと声を上げる。
黒地に白の花が散りばめられている、シンプルなデザインの浴衣。
だけど、いざこうして広げて見ると、10代なかばの女子が着るにはちょっと地味すぎるかも。
こんなことならもう少しきちんと選んでおけばよかった。
去年の夏、侑月がお母さんに新しい浴衣をねだったとき、ついでにわたしの分も買ってくれるというのでこれにしたけど、高校の受験があって夏祭りどころではなかったし、てきとうに手に取ってしまったんだ。
「佳月ちゃんは色白ですらっとしてるから、すごくきれいだろうね。ちんちくりんの結桜と違って」
「ちょっと、ママ。怒るよ」
花火大会でいっしょに浴衣を着たい、と提案したのは結桜のほうだった。
それから、こうして自宅に呼んで、“ママ”に着付けてもらおう、と誘ってくれたのも。
約束の時間、結桜の家の最寄り駅のロータリーに出ると白のワンボックスカーが出迎えてくれて、そのなかに彼女のお父さんとお母さんがシッカリそろっていたので、最初は本当に驚いた。
迎えに来てくれただけでも恐縮なのに、おいしいパスタ屋さんでランチまでご馳走してくれた。
お父さんも、お母さんも、初対面のはずなのに、結桜の友達だからと本当に良くしてくれて、大切にしてくれる。
すごく嬉しかったし、それ以上に、ものすごく感動した。
うちの両親は、わたしの友達に対して、きっとこんなふうにはしてくれないだろうから。
してくれたことなんて、いままでに一度もなかったから。



