「あの、仁香さんに借りてたワンピース、学校のわたしのロッカーにあるんですけど」
「ああ、いいよ、いつでも」
それは、わたしが先輩の教室へ行くことも、先輩がわたしの教室に来ることも、どちらもを拒否されているように聞こえてしょうがない。
もういろんな気力を失って、「わかりました」と、さっきと同じ言葉をくり返した。
なんだかぜんぶを投げだしてしまいたい。
意味不明。
こんなことで世界が終わったような絶望を感じてしまうのは、いったいどうしてだろう。
なにをこんなにもナイーブになっているの。
たかが一度くらい、こっちの誘いをきっぱり断られたくらいで。



