「あの……来月の第2土曜日って、先輩、暇ですか?」
「は?」
次に会ったときに話したいと思っていたことがもうひとつだけあったので、少し無理やりではあるけれど、この際だし聞いてみることにした。
「なんだよ、いきなり」
「その日の夜、そこの海岸で花火大会があるって、友達に聞いて」
そのイベントについて結桜から聞いたのは、実はついきのうのこと。
へえそうなんだ、いいね、なんててきとうに聞き流していたら、「どうやったら奥先輩を誘えると思う?」なんて大胆な相談がはじまったので、本当にびっくりしたのだ。
どうやら結桜はけっこうな肉食系女子らしい。
「そう聞いて……ええと、だから、その」
続きはなんと言えばいいの。
いつまでもモゴモゴまごついていたら、黙って待っていることに我慢できなくなったのか、先輩が声を出して笑った。
「だからさ、おまえ、積極的なのもほどほどにしとけよ」
「な……、まだなにも言ってないです!」
「誘ってんだろ」
言い訳をいろいろ通り過ぎて、結局のところいちばんの図星を突かれてしまったので、返事に困ってしまう。
そうだ、結桜とか、奥先輩とか、本当は関係なくて、わたしが水崎先輩と、いっしょに花火に行ってみたいと思ってしまっただけのことで。
「頑張ってくれたとこ悪いけど、俺はパス」
「え……」
「ふつうにバイト」



