アイ・ラブ・ユーの先で



お互いに自己紹介をして、名前を聞くなり「素敵だね」と初対面らしくぎこちなく言いあった。


「ウチも佳月って呼ぶから、佳月も好きに呼んでね」


畑本(ハタモト)結桜(ユラ)

いいなあ、とまた思ってしまう。
桜を結ぶ、なんていうロマンチックな名前を、彼女のご両親はよく思いついたものだ。

結桜と、偶然にも同じクラスだということが判明したので、急いでいっしょに1年4組の教室へ向かった。


わたしは自分の名前があんまり好きじゃない。

佳月。

漢字は悪くないと思うけど、響きが男っぽいせいで、小学生のころはからかわれることも多かったんだ。


うちの3きょうだいは全員“月”という字があてられている。

上から順に、志月(シヅキ)・佳月・侑月(ユヅキ)
男でも女でもいいように、と両親が事前に用意したらしいけど、2番目だけ明らかに男子寄りだったんじゃないかと、いまでも思う。


つけられてしまったものはもうしょうがないけれど。

こっちには文句を言う筋合いもないし、きっとお父さんとお母さんだっててきとうに考えたわけでもないだろうから、そういうものだと思って納得している。