百瀬 皆



推定17歳。



10年前に百瀬家の一員になった少年。



彼が百瀬家の一員になる切欠は、当時7歳だった咲との出会いだった。



その日、咲は神社の前の階段の木陰の下で遊んでいた。



階段横の林の土をスコップでガリガリと削っていたら、咲の麦わら帽子に何かが落ちて来た感覚がして、咲は帽子をぬいで見た。



すると、半分ほど帽子を傾けるとそれは落ちて来た。


ポテ・・・



「・・・え?」



帽子から落ちてきたのは黒い小さな物体。



子供の好奇心とは恐ろしいもので、この時の咲は躊躇なくそれにさわってみる。



プニッ



「ぎゃあ!」



触ったはいいが、予想よりもずっと柔らかい触感にビビった咲は悲鳴を上げた。



しかも━━



ガブッ



固まっている内に咲はその物体に噛まれたのだ。



これには流石の咲も泣き出し、神社にいる父親の元に走って逃げた。