「ううん」


短く答えて左右に首を振る。


するとお母さんはホッとしたようにほほ笑んだ。


「そう、それならよかった。なにかあったら言うのよ?」


それだけ言い、脱衣所を後にする。


あたしの小さな強がりにも気が付かないふりをして、お母さんは脱衣所を後にしたのだった。