軽く手を上げて病室を出ていく駿。
みんなが出て行った病室は途端に静かになった。
あたしとショウの呼吸音だけが聞こえてくる。
「鈴……」
「な、なに?」
名前を呼ばれるとすごく緊張してしまう。
「俺の名前、翔っていうんだ。空を翔ぶ、翔」
「翔……」
「あぁ。なぁ鈴。俺と一緒に、どこまでも一緒に空高く飛んでくれないか」
翔があたしの手を握りしめる。
ポロリと涙が頬を流れた。
もう泣きたくなかったのに、また泣いてしまった。
「鈴は俺に人生をくれた。翔として生きる事を諦めていた俺に、もう一度産まれてもいいんだよって、そう言ってくれたんだ」
「そ……んな……」
そんな大げさな事をしたワケじゃない。
あたしはただ我儘に行動しただけだ。
駿や翔、桜子や萌ちゃんの気持ちなんて全然知らずに首を突っ込んだだけだった。
みんなが出て行った病室は途端に静かになった。
あたしとショウの呼吸音だけが聞こえてくる。
「鈴……」
「な、なに?」
名前を呼ばれるとすごく緊張してしまう。
「俺の名前、翔っていうんだ。空を翔ぶ、翔」
「翔……」
「あぁ。なぁ鈴。俺と一緒に、どこまでも一緒に空高く飛んでくれないか」
翔があたしの手を握りしめる。
ポロリと涙が頬を流れた。
もう泣きたくなかったのに、また泣いてしまった。
「鈴は俺に人生をくれた。翔として生きる事を諦めていた俺に、もう一度産まれてもいいんだよって、そう言ってくれたんだ」
「そ……んな……」
そんな大げさな事をしたワケじゃない。
あたしはただ我儘に行動しただけだ。
駿や翔、桜子や萌ちゃんの気持ちなんて全然知らずに首を突っ込んだだけだった。