雪の降る日に、願いを消して

しっかりとショウの顔を見たいのに、見る事ができなくてもどかしい。


「鈴、ありがとう。俺たちのためにこんなに体を張ってくれて、ありがとう」


その言葉にあたしは強く首を振った。


もうダメだと思った。


願いは叶わないと思った。


少しでも神様はいないと思ってしまった。


「あたしの方こそごめん。ショウの手が……」


ショウがケガをしている方の手は、あの時あたしと触れ合っていた時の手だ。


「俺なんて大したことないよ」


ショウはそう言い、あたしの頬に流れる涙をぬぐってくれた。


「あと1つ、報告があるんだ」


駿が不意に真剣な口調でそう言った。


あたしは駿を見る。


「可憐の父親が逮捕された」


その言葉にあたしの鼓動はドクンッと大きく高鳴った。


前田先輩の叔父さんが動いてくれたのだ。


そして、それもうまく行ったんだ。


嬉しくて、言葉が出て来ない。


「可憐は今別の病院に入院してる。普通の状態に戻るまで随分と時間がかかるし、もしかしたら死ぬまで父親の存在に怯え続けるようになるかもしれないそうだ」


駿は淡々と説明しながらも、苦々しい表情を浮かべた。


「俺たちがもっと早く警察へ通報する決断をしていれば、こんなことにはならなかったんだ」


「それは、違うよ」