雪の降る日に、願いを消して

ペットボトルを奪い取るようにして口を付けた。


ゴクゴクと喉を大きく鳴らしながら残っていた中身をすべて飲み干した。


まるで何日も飲み物を口にしていなかったような様子だ。


いや、実際にそうなのかもしれない。


可憐は何にも飲まず食わずだったのだ。


ショウが空になったペットボトルを受け取り、『もう一本買ってくる』と言って石段を早足に下りて行く。


『可憐、なんでこんなところに……?』


可憐の前にしゃがみ込んでそう聞いた瞬間、ヨレヨレになったTシャツから可憐の胸元が見えた。


咄嗟に目をそらそうと思ったけれどできなかった。


可憐の服の下には無数の傷と、青アザがあったからだ。


『なんで? なんでこんなところにいたんだよ?』


幼いながらに危機感を覚えた俺は可憐に問い詰めた。


しかし可憐は何も言わない。


怯えた表情を俺に向けるばかりだった。