ちょうど圭太への片想いで泣いているところに、紘が電話をかけてくれた。 私が元気ないことに、気付いてくれた。 たったそれだけのことだ。 それだけのことが、今の私にはすごく大きなことだった。 紘のことが少し、特別な存在になるくらいに。 ……ねえ、紘。 きみは本当は優しいのかな。 どんどん分からなくなっていくよ。 きみの本音も、私の気持ちも──。