懐かしい…。


20人くらいが入りそうな広い部屋。


部屋の中には、ソファーと机とテレビやパソコンがある。


テレビの前に座る3人の男の子と、ソファーに並んで座る私と黒髪の男の子。


映像の5人はとても楽しそうで。


とても幸せそうだった。


私が笑えばみんなも笑って。


笑い泣きする私を金髪の男の子は頬を膨らませながら怒って、瓜二つの男の子たちは腕を組んで金髪の男の子を罵って。


黒髪の男の子は私の頭を撫でていた。


撫でられたのが嬉しいのか、私は満面の笑みで。


『私ね、……の手大好きだよ』


そう言って黒髪の男の子の手を取って頬へ持っていき、手にスリスリとしている。


その〝映像〟は私の記憶なんだろうけど、覚えていない、思い出せない私からしたら映画を観てるようで。


とても恥ずかしいっ。




私、あんなことしてたのね…。


あんなに幸せそうに笑ってるのに…私は何一つ思い出せない。


男の子たちの顔ですら思い出せないのだ。


ボヤけて見えるその顔を、思い出したいと思うのに。


ヤバイっ、涙出てきた…っ。