朝7時半の僕の家。
朝食を食べ終わった妹が、僕の仏壇に手を合わせていた。
「じゃ、お兄ちゃん行ってきます」
言ってろうそくの火を消したかと思うと、元気に家を出た。
「行ってらっしゃーい」
台所の奥から慌てて母親が見送りにくる。
この4年間、誰も僕のことを忘れなかったことに、ほっとする。
正直かなりビビっていた。
父と妹を見送るなり、母は家の掃除を始める。
散らかっていた僕の部屋は母の手によって、綺麗な僕の部屋と化していた。
そして4年間そのままとっておいてある。
今日も母は僕の部屋から掃除を始める。
生きていた頃はうるさいと思っていた掃除機の音が、心地よく感じる。


