明日が早く来ないかなと思ったのはどれくらい振りだろうか。




生界へ行くことを決めた僕は、さっそく門を開けてもらえるよう門番へお願いした。




門番とはなんとなく天使のようなものを想像していたが、それは全くもって絵本の影響からの間違いで、疑わず人の姿をしていた。




生界へ行くのは初めてであることを伝えると、初心者は夜が開けてからの方が良いと言われた。




これもまた絵本やテレビの影響で、幽霊は暗くなってからさまようものだと思っていた、僕の常識を覆された。




それと同時に、常に日中のような天国に慣れてしまったのか、今生界は夜であることに驚いた。





時間が分からないため、より早く早くと待ち遠しかった。




自分が死んでしまって、どれだけの人が悲しんでくれただろうか。




待ち合わせに行けなくて、彼女は怒っているんじゃないだろうか。




自分のことなので不謹慎かも分からないが、少しだけ楽しみだった。