葛木先輩と永松さん




各々自主練や罰の練習をはじめる選手や片付けをしていくマネージャーを後に、

時定君と監督室に向かった。




「お疲れ様お疲れ様、まあどこでも座って」



監督室に着くと、春木さんはそう言ってコーヒーを出してくれた。


監督としてはこわいけど本当は優しくお茶目な人。



「いただきます」



時定君と仲良く置かれたソファーに腰掛け、春木さんを見やった。



「なんか照れくさいね、いつまでたっても監督は板につかねーわ」

「そんなことないですよ」

「バンバン監督らしいです」

「バンバンってなんだよ永松。葛木全然顔見せにこねーじゃねーか、彼女だろ?もっと甘えろよ」

「か、彼女じゃないですよ!いい加減その誤解やめてください」




は?っとした顔の春木さん。



春木さんはいつも私と葛木先輩のことをからかう。



「お前らまだくっついてねーの?」



その言葉に、時定君まで私の方を向くから、いたたまれなくてコーヒーをグイッと飲み干した。



「もうっこの話しする為に呼んだんですか!?」


「おお、そんな怒るなよおっかねーな」