「いつもありがとうね葛木君」 「いえ、遅くなってすいません」 葛木先輩は今日も私を家まで送ってくれた。 玄関先までお母さんがわざわざ迎えに出てくるのは、葛木先輩がいるときくらい。 「あ、そうだ、良かったら今度夕飯食べにいらっしゃいよ」 「それは素敵なお話しですね」 「うふふ、また娘から誘うわ、ママがんばろうっと!」 「お母さんってば」 なんて他愛ない会話をして、葛木先輩は帰って行った。 のに、 お酒のせいか、熱がとれなかった。