葛木先輩と永松さん




部屋の壁に掛けられた時計をみれば、10時を回っていた。



「どれくらいわたし」



なんどか声が掠れている。



「言って1時間くらいですよ、眠ってたの。心配した」


心配した、そう言った葛木先輩は、ベッドの脇に腰を下ろして優しく頭を撫でてくれた。



ドクッと脈打つ胸に、葛木先輩の顔を見るのをやめて水を飲んだ。



「あっ、葛木先輩が運んでくれたんですか?」


「うん、永松さん」


「葛木先輩」


「太りました?」


「なっ!!!」



思わず水をこぼしそうになった。


葛木先輩、本気で重かったっていう顔してる!!!



「ええ、ええ、重いのにどーもありがとうございました!」



葛木先輩を避けてベッドから出ようとすると、