葛木先輩と永松さん



なんだか懐かしいやりとりだ。

私がマネージャーをさせてくださいと頼み込んだのは、このメンバーの時の成南だった。


そして、

『イサ先輩にインターハイ優勝させるため』


葛木先輩はそう言う程イサ先輩が大好きで、

イサ先輩がいる時の葛木先輩は、なんだか少しだけ可愛いのだ。



「今年成南の合宿、長野県だったらしいなあ」


烏龍茶でと注文していると、ノム先輩がうらやましそうに私に枝豆をくれた。


「そうなんですよ、しかも宿舎が赤学の方と一緒で、玉木先輩と進藤さんに会いました!」

「へえ、進藤あいつあっち行ったきり何の音沙汰も無い不義理なやつだが、元気そうだったか?」

「そんなこと言い出したら玉木も同じ、あっちに行くとそりゃ忙しいんだろうよ」

「赤学ですもんねえ」



パクパクと、次から次へ口を開いてく先輩方。



「俺らも頑張ってるっすよー?」


言ったのは長尾先輩。
俺らもとは長尾先輩と葛木先輩のことだ。


玉木先輩のことばかりで、拗ねてしまったのただろうか。



「おうおう長尾拗ねるなよ、お前らもすげーよ」

「そうっすよね?俺ちょー忙しいっすもん」

「忙しいのはうそだな飲み会フル出席じゃねーか」



優しいイサ先輩に辛口なノム先輩、

長尾先輩は、それも大事なことっす!と意気揚々に答えていた。




「一個気になってたことあんだけどさ」



ドリンクお待たせしましたー!

と店員さんが私たちの前にドリンクを置いていく。



横山さんは、受け取ったドリンク、ビールをずいと飲みながら私を見た。