葛木先輩と永松さん




(いっそ自分のものにならないのなら、今ここで気持ちを打ち明けてしまいたい)



けれど玉木はわかっていた。
自分の気持ちは彼女を困らせるだけだと。

それなら、秘めてこれからも彼女とこの距離で、信頼されたまま、過ごしていたい。



「えへへ、なんだか、照れちゃいます。
私ならいつでも玉木先輩の見方なので、いつでも応援してるので、安心して下さい」



「ああ、ありがとう」




その一言に、思いを秘めて、ゆっくり彼女から手を離していった。