「わっ、これが赤学のプレイ」
ちょうど私達成南の自由時間に、赤学の練習試合がはじまったので、
赤学キャプテンの菊川さんが、よかったらと成南高校を体育館へ入れてくれた。
菊川さんといえば、どのバスケ雑誌を開いても写真がいつも載っている、超有名人。
天才的なバスケパフォーマンスで周囲を圧倒させるプレーヤー。
そんな菊川さん率いるAチームと、
問答無用の攻撃で、恐怖さえ感じる大型プレーヤー桜田さん
彼もまた、菊川さんと並ぶ人気で、正確な彼のプレイをモデリングする人も多い。
そんな桜田さん率いるBチームの決戦だった。
私達は体育館の二階から、その様子を見学。
みんな柵に手をかけ試合に見入った。
我らが成南の玉木先輩は、なんと一年生で唯一、Aチームのスターティングメンバーに加わっていた。
最初のボールはBチームに渡った。
模範的なドリブルさばきにブレはなく、それが空きを無くしていた。
綺麗に渡っていくパスボール、
その流れを切ったのが
「玉木先輩!」
玉木先輩の速攻だった。
玉木先輩って、こんなに速かったっけ、と目をみはる。
赤学にきて、もっとすごくなってる!!
「玉木!」
菊川さんのアシストは玉木先輩を生かした。
そしてそのまま
「スリー!!」
玉木先輩お得意の、スリーポイントが決まった。