葛木先輩と永松さん

「もしもし、」



外に出てて良かった。
なんて思いながら携帯を耳に当てた。




『こんばんは、永松さん』



携帯から伝わる葛木先輩の声、



「こんばんは、葛木先輩」


なんだか変な感じだ。


『どうですか？長野、いいところ？』


「はい、聞いてびっくりすることが二つありますよ」


『へえ、なになに』


「赤学と一緒の合宿場なんです！」


『へえ！そんなことあるんだ、じゃあ』


「そうなんです、玉木先輩に会えました！』


『うわあいいなあ、僕も会いたいなあ玉木、寂しがってるでしょう』


「ちょっと、寂しそうでしたね」


『やっぱり』


「あとね、葛木先輩にはあんまもなんですが、実は進藤さんもいらっしゃったんです」


『ええっ進藤って歳山の？』


「そうそう、赤学なんですって」


『そうだったんだ、喋った？』


「はい、ちょっと喋りました、相変わらず変な方でしたね、でも玉木先輩が間に入ってくれて」


『そうですか、さすが玉木、そういうとこかっこいいなあ』