葛木先輩と永松さん




「かつらぎせんぱい、ごめんなさい、」



もうしません、ごめんなさい、

と、葛木先輩をぎゅっと抱きしめたのは、私からだった。


こんなに葛木先輩に辛い顔させるなんて、思ってなかった。



ごめんなさい、



何度目かのごめんなさいで、葛木先輩の体から、力が抜けたように感じた。




「君には参る」

「ごめんなさい」

「いいえ、こっちこそごめんね。
君が卒業するまではと思ってたのに。

歯止めが効かなくなっちゃった」



一体何を葛木先輩が言っているのかはわからなかったけれど、なんとかいつもの葛木先輩に戻った。



目を合わせて、二人して額をコツンとぶつけあわせた。



「あの、」


「どうしました?」




あの、と切り出したのは私だった。

葛木先輩は、私の肩を緩く抱きながら、優しい目を向けてくれている。



至近距離も今なら恥ずかしくない。


それに、多分今しか聞くチャンスはない。


うじうじするのは好きじゃない。




「葛木先輩は、他の人にもこんなこと、しますか?」



ぱちくり。


葛木先輩の瞳が大きく瞬いた。




「んん?」



「あ、の、二つ聞きたいんです。で、ひとつめが、他にもこんな風にしてる人がいるのかなって」


「なんでそんなこと思ったの」



必死な私を宥めるように、葛木先輩はホッとしたように笑った。



「だって、私じゃなくても、柔らかい人なんていっぱいいるじゃないですか、葛木先輩なら、触りたい放題ですし」


「なっ、もうっ触りたい放題ってなんですか人聞き悪い」


それに柔らかいって、ともう葛木先輩は笑ってしまっている。



「ちゃんと答えて下さいっ」


私真剣にっ