前と同じように、葛木先輩は適当にくつろいでいてくださいとお茶を出してくれた。
そしてシャワーに行ってしまった先輩。
くつろげるものか。
ソファー見るだけで、この間のこと鮮明に思い出してしまう。
どうしよう。どうしよう。と目を泳がせていると、
この間も目に入った卒業アルバムをみつけた。
絶好のチャンスだ。
まだ聞こえるシャワー音。
見ちゃえ。
そそくさと本棚に近付き、目にも留まらぬ速さでアルバムも抜き取った。
「中学校のアルバムだ」
葛木先輩って関東出身とは知ってたけど、ここだったんだ。
パタッと重いカバーをめくると、ひらりと何やら紙が落ちてきた。
「?」
見ると手紙のようだ。
好奇心と罪悪感が現れた。
見たい。見ちゃダメ。
でも落としたまんまじゃだめじゃない?
見たら後悔する。
わかっているのに手は止まらずに、手紙を拾い上げて裏をみた。
「小春、、」
差し出し人の名前を見た瞬間、なんだか止まらなくなって、中まで開いてしまう
《ミキちゃん京都に行っても、頑張ってね》
可愛い文字。
葛木先輩のことをミキちゃんと呼ぶ、
小春さん。
なんだかその短い文章が、私にはとても深いものに感じた。


