「進路希望」
今日は一時間目からおもーい調査だ。
手元に配られたプリントを睨みつけ、私はうなだれた。
午前中の柔らかな日差しが注ぎ込む3年A組の教室。
ラッキーな席替えで窓際の席になった私は、
前の席が時定君、後ろが由紀といった神席を手に入れた。
三年生になって、時定君とも由紀とも同じクラスになれたことがまず神だ。
「ねえ由紀はどうするの?」
「うちなー、うーん」
「悩むよね、音楽続けないの?」
「それ、そこが悩みやねん」
「時定君は?」
「僕は、バスケ続けたいから、うん」
プリントを配り終えた先生は、
明日のホームルームまでに提出するよーに。
そう言い残して授業をはじめだした。