昨晩、葛木先輩は家まで送ってくれて、
遅くなったから、とお母さんにまで謝ってくれた。
何度も良いと言ったのに、
だってお母さんの目がハートになるから。
「今度葛木先輩とデートになっちゃった」
「なっちゃったってどんな言い方しとるん」
朝一で後ろの席の由紀に詰まると、由紀は呆れたように頬杖をついた。
「だって」
「嫌なん?良かったん?」
「うーん、なんか、複雑」
だって、だって
「あの葛木先輩と、デートが成立する気がしない」
「それは否めない」
下手したら荷物持ちとかさせられそう。
変な妄想が膨らんで、ぱっぱっと振り払った。
逆に紳士かもしれない。
葛木先輩時々びっくりするくらい紳士だもん。
エスコートとか、されるかも。
、、、、。
ないわ。