「ほんと大したことじゃなかったんですけど、、」
逆に申し訳ないくらいの悩みだ。
二人して、いつも通り帰路を歩き出す。
今日はなんだかいつもよりゆっくり。
大学生になった葛木先輩は、ずっと大人っぽくなった。
もともと端正な顔立ちで、いつも目立っていたけれど、
余計にからだも大きくなって、
胸板も厚くなって、
背もまだ伸びてるみたい。
190越えちゃうんじゃない。
上から見下されるのがいやで、パイプ椅子によじ登って喋ったりしたなあ、なんて横目に葛木先輩を見ながら思い出した。
「悩み事ですか?」
「はい、進路のことで躓いちゃって」
「ああ、そうか、永松さんももう受験生なんですね」
あんなにちっちゃかったのに。
身長は変わりないです。
おやまあ。
なんていつも通りの会話。


