「葛木、携帯鳴ってないか?」
言ったのは、葛木の先輩にあたる、元成南バスケ部のキャプテンイサだった。
「だれだれ?」
覗き込むように、イサと同期のノムと、葛木の同期長尾が我先にと葛木の携帯を弄る。
今は、元成南バスケ部の四人で、集まっていたところだった。
地元の居酒屋でなんてない話しをしていた四人だったけれど
「おお!!マネージャーじゃん!!え!!おまえらやっと付き合ったの!?」
長尾は紗季の名前を見ると、そう、声を荒げた。
「ああもうめんどうだなあ、」
肯定も否定もしないで、葛木は長尾から携帯を奪い返してその場から離れた。