今日はなんだか、葛木先輩に会いたい。 バスに乗り込む大きな背中に、 「ごめん時定君、私学校に忘れ物しちゃった、先に帰ってて!!」 咄嗟にそう言って、 時定君はバスの中から焦ったように振り返って、 「じゃあ僕もっ」 言う時定君の目の前で、バスは閉まってしまった。 びっくりしただろうな時定君。ごめんね。 行ってしまったバスを見送って、私は 葛木先輩に、電話をかけた。