「なんて嘘だよ
ちゃんと送るよ」


「大丈夫 すぐそこから
バスに乗るし」


「心配だから送らせてよ」


「本当に大丈夫だから」


「家の近くまで送るから」


ここは何と言われても阻止しなきゃ。


「うちの親 頑固親父だし
警察官と言う職務のせいか
結構うるさいんだ」


「け・警察官・・・?
でもさ 娘の恋愛にいちいち
口を出すわけ?」


たぶん そうです・・・
大学生になったから
どうだかわかんないけど・・・。


「じゃあ バス停まで送る」
バス停まで送ると言われ歩いていると
そっと手を取られた。


キスといい手を繋ぐといい
付き合うって言ったのは
数時間前なんだよ?


みんなそうなの?


その前にあたしって
貴生さんのこと好きなの?


わかんない
わかんなくなってきた。


遠くにバスの影が見えた。


「気をつけてね
またラインするから」


「うん 今日はごめんね」


「いいよ 貸しを作っておくから
今度は返さないかもよ」


「えっ?」


「冗談だよ」


「もー!びっくりしました
お休みなさい」


素早くあたしはバスに乗りこみ
アパートへ帰ったのだった。