謙太さんと一緒にいる人は
すごく綺麗な人・・・
こんな人が回りにいるんだから
あたしのこと田舎者扱いするのは
当たり前のことだよね。


「ごめんごめん遅くなって」


隣に男の人が一人増えた
女の人と二人きりかと思ったのに
少しホッとしてる自分がいる
・・・何故?・・・わかんない。


「綾子ちゃん決めた?」


「あっ・・・
あたしグラタンのセットで」


「じゃあ 店の人呼ぶね」
店員さんを呼んで注文。


「ねぇ~付き合うかもって
オレと?」


「えっ?」


貴生さんの言葉に驚いた
嫌そうな言い方
勝手にあたしがそう思ってるだけ
だったのかも?。


「返事もらってないよね?
確か 友達からならって」


そーだった・・・か。


「じゃあ今日から彼女ってことで
いいわけ?」


「あ・・・うん」


「微妙な返事!
でも 一応返事貰ったと言うことで
よろしくな」


あたしに【ハツカレ】ができた瞬間だった。


「なぁ~これ聞いて」
と携帯を出しイヤホンを付けると片方を
あたしに渡して耳に入れるように言った。


「うん?何?」


「この前のライブ
YouTubeに配信したんだ」


映像を見ながら二人で画像を眺めてる
定員さんが食べ物を持ってきてるのを
気づかないほど集中していたようだ。


「グラタンセットお持ちしました」
何度かそう声をかけたようで
終いには隣の謙太さんが
「おい!こら!」とあたしの肩を叩いた。


「えっ?」


「定員さんが困ってるぞ」


「あっ!ごめんなさい」


定員さんに謝ると不機嫌そうに
グラタンを置くと帰っていった。