その夜謙太さんから
お礼の電話が掛かってきた。


「ありがとな
病院とかお粥とか」


「あ・・・別に
もういいんですか?」


「良くなったよおかげさまで」


「そうですか・・・」


「あのさ・・・あの件だけど」


「あの件?」


「女にしてくれって言う」


「ああ・・・忘れてください」


「どうするんだ?正直に言うのか?」


「謙太さんには関係ない話です」


「そう・・・かそうだよな
ホスト行くぐらいなら
オレが相手してやってもいいかな?
と思ってね
わざわざ高いお金つかわなくても
オレなら無料だし」


「無料・・・ってウケる」


「だと思わない?」


「その分オレに回せと?」


「正解!」


「せこい!!!」


「どうせ暇だし
オレは全然いいよ」


「選ぶ権利あるんじゃないんですか?」


「あるけどあやっぺを救うために我慢する」


「我慢?もういいです
頼んだあたしがばかでした」


「うそうそ!冗談だよ」


「そこに冗談とか要りませんから!」


「機嫌直せ!ってぇ
でもさ考えたんだけど
初めてってやっぱ大事じゃん
だから色々演出とかして
思い出に残るのってよくない?
初めての相手は知らないホスト!って
言うよりは・・・うんそれなりに
頑張るよ」


確かに・・・初めてってどんな感じだった?
と質問されたときにそれは言えないよね。



思い出か・・・こも前のドライブのときも
そんなことを言ってたね
意外とロマンチスト?


「じゃあ・・・お願いします」


「おう!任せろ」


契約完了となったのだった。