小籠包を頬張りながら
「で?別れたわけ?」と
聞く謙太さん。


「うん・・・」と言おうと思ったその時


「あっ!渡辺!」
と二人組の男の人に声を掛けられた。


「お疲れさまです」


「おう?彼女か?」
「デート中?いいねぇ若いってさ」


「いえ!違いますよ
友達ですよ」


違いますよーーー
違うけど その言葉は
ズシッと重くのし掛かる。


友達・・・・・・。


話を聞いていると会社の人らしい。


「まぁ~いつか彼女を紹介してくれよ
あんなに自慢してるんだから
余程可愛いんだろうからな」


「浮気すんなよ
友達と言っても彼女が
それをみたらいい気は
しないからな」


「浮気なんてしませんよ」


彼女を自慢?
あっ・・・夕陽さんのことか。。。


自慢できるわね
あれだけ綺麗なんだから・・・。


やっぱり復縁したんだね
アハハ 心の中でバカ笑い
失恋じゃん・・・
告白する前に失恋じゃん・・・。


二人組が去ったあと謙太さんは
「ごめんな こんなところで
上司に会うとはなぁ~」
と頭を掻いていた。


「別に謝らなくてもいいですけど」


「・・・それもそーだなアハハ」


「ねっ!カクテル頼んでいい?」


「いいけど飲めるの?」


「うん!今日は記念日なんだ
一緒に祝ってよ」


「記念日?何の?」


「記念日」


失恋記念日


「何だよ 女子はそんなの好きだよな
出会って何日記念だとか
付き合って何年記念だとか
で?何の?」


「記念日と言えば記念日なの
深く聞かないで!」


「意味わかんねぇ~
そして怒られるオレ 訳わかんねー」


謙太さんは笑っていた。