「…あぁ」





薬で何とか保ってるけどさ。

歩くのも精一杯なんだよね、今。




だからさ、走るのやめてもらえる?


鈴翔は私の手を掴んで走って水族館に入った。






「優希達どこにいるんだ?」



「電話とかすればいいじゃん」



「あ、そうか」





鈴翔は私の手を掴んでいた手で
ポケットからスマホを出して電話し始めた。


…ペンギン。
隣では電話している鈴翔の隣で
私は好きなペンギンの姿を見つめていた。


…ちょっとくらい、離れてもいいよね。