「兄貴は安全な幹部室にいろよ」 「わかってるって。 じゃ、死神さん、無理は禁物」 「それは無理」 「じゃあ、死なないほどに」 「…約束はできないけど」 お兄さんは私を降ろして 2階にある幹部室に入って言った。 「……来た」 近づいてくるバイクの音。 有栖川組を潰した事でアイツらは 切り札をなくした。 だから、この勝負もしかしたら 勝てるかもしれない。 バイクの音が氷龍の倉庫の前で止まり、 陽炎と夜叉の姿が見える。