☆☆☆

両親も全部を信じてくれたわけじゃないと思う。


だけどあたしの事を信用してくれているんだ。


そう思うと、必ずこの探し物を終えて栞を助け出したいという気持ちになった。


「ありがとうお父さん。行ってくる」


あたしはお父さんにお礼を言い、すでに集まっているみんなの輪の中へと急いだ。


健は車の中のお父さんへ向けて頭を下げている。


「よかったな、咲紀」


健にそう言われて嬉しくなった。


そして、すぐに気を引き締める。


今日もまたあたらしい情報を得る事ができたんだ。


それを踏まえてしっかりと探さないといけない。


「行くぞ」


陽に入られ、あたしたちは旧校舎へと足を踏み入れたのだった。