不思議の国の短期アルバイター

「で?なんか用?」


「師匠にお届け物です」


師匠が一人でいるのは寂しいだろうな、と思いお茶に誘おうと思ったが、肩透かしをくらった。


腹がたつのでケーキは一人で食べてしまおうと思う。

カロリー?気にするかそんなもん!



「サリーからです」


ケーキの入った包は後ろ手に隠し、渡された小包だけを渡す。


「サリー?なんで?」


「仲良くなったんです。色々あって。」


ふーん、と空気が漏れるみたいな声で返事をして師匠は沈黙してしまった。


「それだけです、お休みなさい」


「…ん」


師匠は小包に入っていたらしい手紙を睨みつけながら心ここにあらずな返事をした。


師匠のまとう空気が変わったような気がして。
 

だから私は何も聞けなかったし、何もできなかった。



息を止めて眉をひそめる悲しそうな師匠の表情も見ない振りをしてしまった。